ハナミズキ：一青窈

空(そら)を押(お)し上(あ)げて
手(て)を伸(の)ばす君(きみ)　五月(ごがつ)のこと
どうか来(き)てほしい
水際(みずぎわ)まで来(き)てほしい
つぼみをあげよう
庭(にわ)のハナミズキ

薄紅色(うすべにいろ)の可愛(かわい)い君(きみ)のね
果(は)てない夢(ゆめ)が　ちゃんと終(お)わりますように
君(きみ)と好(す)きな人(ひと)が百年(ひゃくねん)　続(つづ)きますように

夏(なつ)は暑過(あつす)ぎて
僕(ぼく)から気持(きも)ちは重(おも)すぎて
一緒(いっしょ)に渡(わた)るには
きっと船(ふね)が沈(しず)んじゃう
どうぞ　ゆきなさい
お先(さき)に　ゆきなさい

僕(ぼく)の我慢(がまん)がいつか実(み)を結(むす)び
果(は)てない波(なみ)が　ちゃんと止(と)まりますように
君(きみ)と好(す)きな人(ひと)が百年(ひゃくねん)　続(つづ)きますように

ひらり　蝶々(ちょうちょう)を
追(お)いかけて白(しろ)い帆(ほ)を揚(あ)げて
母(はは)の日(ひ)になれば
ミズキの葉(は)　贈(おく)って下(くだ)さい
待(ま)たなくてもいいよ
知(し)らなくてもいいよ

薄紅色(うすべにいろ)の可愛(かわい)い君(きみ)のね
果(は)てない夢(ゆめ)が　ちゃんと終(お)わりますように
君(きみ)と好(す)きな人(ひと)が百年(ひゃくねん)　続(つづ)きますように

僕(ぼく)の我慢(がまん)がいつか実(み)を結(むす)び
果(は)てない波(なみ)が　ちゃんと止(と)まりますように
君(きみ)と好(す)きな人(ひと)が百年(ひゃくねん)　続(つづ)きますように

君(きみ)と好(す)きな人(ひと)が百年(ひゃくねん)　続(つづ)きますように